mixi上場

mixiの上場申請に伴い有価証券報告書が開示されました。前からSNSの収支構造の実態には興味があったので見てみましたが、やはり有報では細かいことは分かりませんねぇ。

H18/3期の会社全体の収益は売上高1,893百万円・経常利益912百万円ですから、売上高経常利益率は48.1%と大変収益率の良い会社です。但し1,221百万円は求人広告事業であるFind Job!の売上であり、mixiが属する「インターネットメディア事業」の売上は640百万円と、全体の33%に過ぎません。mixiのサービスが開始されたのは平成16年2月ということですから、売上に反映してきたのはH17/3期決算からでしょう。2期間で全体売上の1/3弱に成長したということですから、新規事業としては悪くない結果だと思います。

mixiの売上の中身は広告収入が520百万円、一部有料会員からの収入が120百万円ということです。広告収入が81.2%を占めるので「依存度が高い」と記載されていますが、個人的には思ったより有料会員からの収入もあるのだなぁという気がしました。

全体の売上原価は87百万円と、売上に占める割合はたったの4.5%です(粗利率95.5%)。それでも前期比264.8%の伸びと記載されており、その原因は、従来販売管理費に計上していたサーバーの減価償却費を売上原価に計上したということが説明されています。しかし、原価明細を見ると前期に比して一番金額の伸びが大きいのは「賃借料」であり、これはサーバーラックの賃借料と説明されているので、会員数の増加に伴って増強したサーバー関連費用の増加が売上原価の増加の一番の原因と言うことになります(有形固定資産中の「工具、器具及び備品」はH17/3期18百万円からH18/3期116百万円に増加)。
因みに今後は増資による調達資金等を活用して約1,100百万円の増強を計画しているようですので、減価償却費等は大きく膨らむ可能性があります。

SNSのビデオ版であるYouTubeの回線費用の高さがネット上でも話題となっていますが、mixiにおいてそれが幾らくらいなのかは販売管理費明細がないので分かりません。販売管理費全体の893百万円から、給与手当や広告宣伝費等の合計額は671百万円を差し引いた222百万円の中に回線費用も含まれている筈ですが、全体売上1,893百万円からするとそれほど大きな金額ではないので負担は比較的少ないようです。これは動画ベースとテキスト・ベースの違いなのでしょうか。

因みに資本政策はシンプルですねー。初期に2回の株主割当増資を行った他は、サイバーエージェントに第三者割当増資を行っただけです(後は株式分割)。但し新株予約権は何回にも渡って発行していますね。資本金は前期末時点で64百万円ですから億の単位にも行ってません。求人広告・SNS共に順調な推移を示したので、余計な資本を集める必要がなかったことを示しています。今第一四半期においても売上高881百万円・経常利益452百万円を叩き出しているようですし、これは株価も高くなりそうですね

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